◆内容・あらすじ
マイクロソフトでWindows95の右クリックやドラッグ&ドロップを生み出した著者の仕事をスピーディーに終わらせる方法が書かれた一冊。
特に以下に当てはまる人は読んでむと良い思われる。
・仕事の納期が守れない人。
・仕事のボリュームがわからない。
・「勉強」など何から手をつければいいのかわからない。
◆解説
・仕事の納期が守れないのはなぜか
締め切りが守れないA君。
A君は能力は悪くないし真面目に仕事をするのにも関わらず、毎回締め切りを守れずスケジュールのリスケ→徹夜→リスケという負のスパイラルが続く。
A君が締め切りを守れないのは著者曰く、「ラストスパート思考」&「見積もりが甘い」だからであるという。
ラストスパート思考とは?
ラストスパート思考とは、締め切りや期限のギリギリで頑張る人の事をいう。
このラストスパート思考、仕事が終わればよいが、終わらない作業の場合、ギリギリになってそれが分かる。
→これでは管理者からするといつもハラハラドキドキものであるし、他の人に迷惑をかけてしまう。
見積もりが甘いとは?
例として上がっているのが数学のテスト。
数学のテストは前半部分は基礎的な箇所で特のは比較的容易。一方後半になると応用問題になりより複雑で難しい問題になる。
つまり、A君は前半の基礎の部分の問題をみて、「なんとなく終わるだろうな」と思う事で見積もりが甘くなり、後半部分である応用問題を考慮せず予定より
・では、どうすれば見積もり精度があがるのか?
・プロトタイプをまず作る
著者によると、まず「プロトタイプ」を作る事が重要。
プロトタイプとは早い段階で細やかな部分は気にせず、おおまかな全体像を把握し作ってしまうことを意味する。
実際に仕事というのはやってみないとわからないわけだが、全体をまず大まかに見る事で俯瞰して作業量というのが把握できる様になるというのがポイント。
・プロトタイプを作る上で「スタートダッシュ仕事術」を取り入れる
スタートダッシュ仕事術とは、与えられた見積もり期間の2割程度の時間で全体の8割の仕事を終えること意味する。
全体の作業の2割の時間で8割の時間がおわるわけないだろ…
と思うわけだが、この与えられた仕事というのは必ずしも正確に見積もられているかどうかそもそもわからないのである。
(逆に正確にB君はこの期間で終わると見積もってくれているならば普通にさぎょうすればそれで終わるわけである)
・スタートダッシュ仕事術で注意すること
①まずこの2割の時間で本当に作業が終わるのかを把握する
→プロトタイプを作りどう考えても終わらない場合ここでリスケを提案する。
(ギリギリでリスケよりも認められやすい。)
終わりそうなら界王拳を使うイメージ(20倍界王拳なら強くなる代わりに反動も大きくなる)で短期決戦で作業を進める。
②マルチタスクをしない
→最近の研究でも明らかになっているが、シングルタスクの方が作業効率が圧倒的に高い。
③疲れたら休む
→疲れたら仕事中でも構わず休むのがよい。
著者いわく18分の睡眠がベスト。
④朝早く起きて作業する
→余計な割り込み作業(メールや打ち合わせ)がないうちに作業を全て終えてしまう。
※具体的には午前中にはその日予定した作業を終えてしまう
⑤8割を終えても、作業を前倒しにしない
→これをすると次の作業の見積もりが短くなるだけで自分の首を締めるだけである。(この期間仕事をしないというわけでなく「流す」気持ちで作業をするのである。界王拳を10倍、3倍などと使い分けるのが大切。集中力はそんなに続かないからだ。)
気持ちに余裕がないと作業の効率も落ちてしまう(著書内では病院の手術室の話が良い例である)
・何かを新しく学ぶには?
・まずやってみる
著者は何かを勉強するときはとりあえず必要な箇所を手を動かしながら学ぶ事を進めている。
→「必要は成功の母」
(準備や一通りの基礎を学びながら初めて勉強を初めがちだが、著者のプログラミングの学習や英語を話せる様になるまでの経験から裏付けられている)
◆まとめ
・見積もりをまもる作業をするには?
与えられた仕事に対しスタートダッシュ仕事術で全体の見積もり期間の2割の時間でプロトタイプを全力で作る。
・何かを勉強するには
まず手を動かしながら学習をする。
◆感想・思ったこと
・読み物として面白い
今や知らない人などいないMicrosoftで、ましてそのMicrosoftを不動の人気に君臨させたWindows95で中核的な開発の役割を担った著者の経歴の内容は読んでいて面白くないわけがない。
単純にどういう事をすればそんなすごいプロジェクトに携われるの?と興味がわく。
・「仕事は必ず間に合わせる」を当たり前と思う事
個人的にここが一番重要であると思う。
当たり前なのだがここができていない人がほとんどである。
かくいう僕もこれが守れていない。
・やりたい事があれば思い切って飛び込んでみる
著者のバイタリティのあるところであるが、自分から売り込みをかける大切さも重要だなと思わされた。
今の仕事が満足できないなら他の部署に案を持って行って見てもらうということはできるわけである。
・ノウハウだけで終わらない
著者はスタートダッシュ仕事術を説明した後、仕事の意味と人生の意味についてこう述べている。個人的にとても気に入ったフレーズである。
あなたの仕事は、仕事を終わらせることです。
そして、あなたの人生の仕事は、あなたの仕事を終わらせることではなく、人生を思いっきり楽しむことです。
・一方で
僕はこの本を読んで感銘を受けたし、実際著者が言う「する事リスト」を作る様になったし、スタートダッシュ仕事術を試して行こうと思った。
だが、一方で
・集中が必要となる仕事はするな(自分が夢中になれることを仕事にしろ)
・わがままに生きろ
という点については納得できるができるかどうかは別の話ではないかと思った。
◆最後に
仕事に対する姿勢や方法論とても読んでいて刺激になる著作だった。
Amason primeがあれば無料で読めるのでオススメの一冊。