アンタゴニスト4巻

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・遂に総統が動き出す

神条たちの働きによりカメレオン男は捕まり、押収したパソコンからヘルトピアの重要な情報が明らかになる。

相次ぐ失策。
遂に総統が自ら陣頭指揮をとるのだった。

総統の狙いは自衛隊が保持している核を日本に使うということだった。
(核はアメリカが極秘に半島占拠のために持ち込んだもの)
ヘルトピアの一味は自衛隊の中にもいるのだった。。

総帥は大量破壊・警察の撹乱と核を確実に国会議事堂に打ち込むために同時多発テロを起こす。

・コンドル男再び

総帥の指導の下、全国で暴虐の限りを尽くすヘルトピア隊員たち。
コンドル男・野口は神条と再び戦うため美礼が乗るバスに同乗するのだった。
神条はコンドル男を追いかけ、野口とリマッチする。

前回は麻丘と協力?状態で戦ったため戦えていたが、戦闘経験の差は歴然であった。思いとは裏腹に野口に翻弄される神条。

だがピンチの状況と怒りが影響したのか、神条の怪人化はついに完全体へ…

ヤゴ男→トンボ男へと羽化した神条はいっそう動体視力が上がっていた。
トンボは複眼と呼ばれる複数の目を持っており、あらゆる方向を見渡すことが可能。

・父親と対峙

そして神条は父親がヘルトピア一員であることを遂に知る。
父親はただ破壊をしたいヘルトピアの総帥とは違い、いわば人類社会を作り直すために一度破壊する必要があるという考えを持っていた。

父親の意志は本人だけのものによるものかそれともアンタゴニストによるものか…
個人的にドモン・カッシュとマスター・アジアを彷彿とさせたシーン

神条は父と決別する。
総帥の居場所を東京湾のタンカーにいることを突き止めた神条と麻丘。
残された時間はわずか。
自衛隊にタンカーを攻撃するのを嘆願するも、総理は自衛隊に攻撃をさせたくないためあくまで警察による解決にこだわる。
だが肝心の警察は今起きているテロ活動の対応でいっぱいいっぱいであった。

ヘルトピア壊滅へ

神条と麻丘は占拠されたミサイルを奪い返し、ヘルトピア総帥と父親がいるタンカーへとミサイルを発射するのだった…

◆良かった点

アンタゴニスト、ネオテニーの存在意義とは何かと考えさせられたところ(「感想・思ったこと」に詳細あり)
・総帥と直接対決!みたいながなかった点(ここがリアル寄りなのかなと思った)。
・テンポよく話が進んだ箇所。

◆悪かった点・気になった点

・テンポよく進んでいたと言いつつ、ヘルトピアの壊滅が少し早かった
→これは総帥の命が短いから死に急いだという点を考えばわからなくもないが…
(もうちょっとだけ長くてもいいかなと思った)

◆感想・思ったこと

父親はネオテニータイプ?

父親はアンタゴニストに寄生されていたが神条や麻丘、野口と同じネオテニータイプではないかと思う。

ネオテニー以外のアンタゴニストの寄生の特徴として「悪役を引き受け」「目立つ様な悪さをする(程度で止まる)」と言う特徴があるのだが、神条の父親は自分の意思を貫いて行動している点があった。(総帥がに対して「人を救う」といって「失言でした」と言うシーンがあることからわかる)

仲間意識が強くなる、内(仲間)と外(それ以外)を分ける手段なんかはプロパガンダ手法の一つ。
カルト集団での常套手段であり、彼らも例に漏れていなかった。

・ネオテニーの存在意義とは?

アンタゴニストが悪役を引き受けて人類存続へ貢献してくれているとすると(やりかたに異議はあるにしても)、ではネオテニーは何のため存在するのであろうか?

個人的だが、ひょっとするとこのネオテニーというのはアンタゴニスト成虫型と戦いを通じることで人類へ「自分たちのあり方」を問わせるために存在するのかもしれない。

といいつつ一方でいくつか疑問が残った。

・ヘルトピア崩壊…か?

ヘルトピアは表面上は総帥に従っているが彼が存命中ですらすでに内部で分裂が起きている。

そして総帥の死亡。

総帥がいなくなっただけでヘルトピアはあっけなく崩壊?
とても一枚岩と呼べる組織ではなかったのだった。
そもそも直近の部下に考えを異にする神条やザ・サイコパスの野口など(彼の考えを遂行してくれると思えない)人物を選び過ぎである。
また、仮に核攻撃が成功しても、その後何をしたかったのかが一切話されていない。
個人的に総帥はただ、自分の病気の怒りの矛先を大義名分の下社会にぶつけたかっただけだと思う。
ヘルトピアは組織として問題が多かったのである。
残された怪人たちがどうなるかなど到底考えていたとは思えない。

ほとんどの怪人たちは誘拐され勝手に改造(別漫画みたい)されたわけであり被害者でもある。

薬で症状を抑えることが出来るようだ。

一方で以下のような疑問も浮かんだ。

・罪の意識を感じ更生する。
・薬で症状を抑えることが出来る。
という点を鑑みるとアンタゴニストの影響力は本当に強いのだろうか?

アンタゴニストが全て悪いんです。。と言えるのか?
(ただただ殺されたり傷つけられた人からするとそんなこと言われても…となるだろう。ここら辺は風刺というか考えさせられるところである)


どこまでが自分の意思なのかが不明である。
(集団心理による暴走化など人間による影響が大きい様に思える)

◆最後に

いろいろ書いたが、読後思うことが多かったが

取り敢えず面白かった

のと、

続くようで安心した

(何度も書いているが「読んでも何も残らない」というのが一番ダメだと考えるのでこの巻は良かったと思う。)

5巻が気になる。。。

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