原文あらすじ (Amazonより)
When twelve-year-old Sophie Williams went on a Girl Scout summer camp, she never returned home.
Three months later, her body is found inside her sleeping bag in the most frequented area of Cocoa Beach, and the town is outraged.The girl isn’t just any child.
She’s the town’s most beloved surf idol, and it was believed that she could be the next Kelly Slater.
As another child, the son of a well-known senator is kidnapped, and the parents receive a disturbing video, FBI profiler Eva Rae Thomas — who has just returned to her hometown, divorced and out of a job — plunges into the investigation, breaking her promise to her children not to do police work again.
Local law enforcement, with her old flame Matt Miller in charge, are the ones who ask for her help in a case so unsettling that only she can solve it. But the deeper they dig, the deadlier it becomes for Matt and Eva Rae. Soon, everyone she holds dear is in grave danger as this case hits a little too close to home.
あらすじ
12歳のSophieはガールスカウトでキャンプに参加するが戻ってくることはなかった。3ヶ月後にCocoa Beachの道路脇近くで寝袋にバラバラ死体となって発見される。Sophieはただの女の子ではなく地元では将来有望なサーファーとして知られていたアイドルだった。
またSophieの事件のすぐ後に市長の子供が誘拐され、その様子を録画された様子が両親の元へと送られる。
地元警察は彼らだけではこの犯人を捕らえられないと考え、夫と離婚し地元へ帰ってきた元FBIのプロファイラーであるEva Rae Thomasに協力を仰ぐのだった。彼女は捜査協力を引き受けるのだった…それがたとえ子どもたちと約束を破ってでも。
◆英語の難易度
★★★☆☆
1チャプターごとは短い、がボリュームとしてはかなり多い。
またチャプターでキャラの切り替わりが多く分かりづらいところがある。
ネイティブのティーンが読むレベルの英語で書かれているのでそこまで難しくはない。ただし普通のペーパーバックレベルの厚さなので読むのは骨が折れる(少なくとも僕には)。
このボリュームを読み終えると読後の達成感はかなりあった。
本書内によく出てくる登場人物の紹介。
本書を読むにあたって少しでも参考になればと思います。
(僕も前半は少し混乱した。名前がやはり覚えにくい)
◆登場人物
Eva Rae Thomas:本作の主人公
Matt:地元警察に所属するEvaの幼馴染み
Olivia:Evaの娘。長女14歳。
Christine:Evaの娘。次女12歳。
Alex:Evaの息子。長男6歳。
Evaの母親:Evaと距離がある。自宅の家具に拘りがあり子どもたちが汚さないか心配している。ヴィーガン?
Evaの父親:Evaの良き理解者。
Sophie:サーファーとして将来を期待されていた被害者の女の子。
Maddie:母親が娼婦で、登校中に犯人に誘拐された女の子。
◆感想
・Evaを取り巻く環境
二転三転する展開のハラハラドキドキ感と、主人公のEvaまわりで起こる日常・非日常が交錯して進んでいくのが作品の醍醐味。
主人公は優秀なFBI捜査官であったが母親としては壊滅的にダメ(家事・子育ては別れた旦那が行っていたため)であり、子供とうまく折り合いをつけられず衝突を繰り返している。
また幼い頃に姉、Sydneyが誘拐され失踪したことにより母親と距離がある。子供も別れた父親に懐いていたり、長男のAlexがADHDではないか?とEvaが思うくらいで、 Evaは彼にふりまわされている。
良い母親になろうと努めるがうまく行かないところは読んでいて可哀想になるし彼女に同情してしまう。
一方で、友人の危機に関して相手の恋人に対し(よく確認もせず)殴り込みにいったり、事件現場と思われる場所には捜査令状なく不法侵入したりとかなり無鉄砲なところや、また(事件のためだが)アポイントを何度も忘れるなどかなり抜けているところもある。
・フーダニット(Who done it)としてのミステリ
推理モノとして読むならば伏線やヒントなどはあまりなく物足りなく思える。
後半から何となく犯人について匂わせてくる箇所はあるが主人公に関する秘密などはかなり終盤でないと わからない。
・読む上での注意点
子供が被害者ということもあり読んでいて少し苦痛・不快に感じられる箇所があるのでそこは注意。
(誘拐され監禁される&殺害されるなど)
◆タイトル「DON’T LIE TO ME」の意味
ここからは物語のネタバレを多分に含みますので注意
自分が聞かされていた話がすべてウソだった主人公・Eva
自分の結婚生活が嘘であったEvaの母親 自分の信じていた真実がすべてウソだった犯人
作者が言うようにテーマが「両親の離婚」 犯人は両親が離婚をしている子供を選び犯行に及ぶのだった。 それは犯人自身が幼少期に経験したトラウマによるものである。
両親の離婚が子供に与える影響 アメリカは日本より離婚率が高い。 実際犯人が言及しているように両親の離婚は子供に影響を及ぼし、 子供が自殺するなどの影響があるそうだ。
◆Evaたちの将来は本当に明るい?
自分の父親(血縁関係はないが)が連続殺人犯という状況でCocoa Beachに住み続けるのは 本当に幸せなのか? またEvaの子どもたちは(特に)Christineは父親に見捨てられたと感じている この状況はトラウマレベルであり、実際Evaの父親とかなり近い状況にある。 今後はEvaやEvaの母親も含めしっかりと家族と向き合う必要がある。 Evaは変わろうとしているが、今のままでは一抹の不安が残る。 (アメリカと日本での加害者の家族の捉え方が異なり日本ほど加害者の家族は非難されない)
◆その他
Kindle Unlimitedでこの本が読めます。